APDとCAPDについて

腹膜透析の2つの方式について

腹膜透析には、大きく分けてCAPD(持続携行式腹膜透析)とAPD(自動腹膜透析)の2つの方式があります。今日は、この2つの方式の違いや特徴について、我が家の経験も交えながらお話ししたいと思います。

CAPDについて

CAPDの仕組みと特徴

CAPDは、透析液を入れたバッグを体の高さより高いところにつるし、重力を利用して透析液をお腹の中に入れる方法です。約10分前後でお腹の中に液が入ります。透析液は1回に決められた量を入れて、決められた時間(例:4〜8時間ほど)貯めておきます。この間に老廃物が透析液に移動します。一定時間経ったら、お腹の中の透析液を排液バッグに抜きます。これを1日数回(例:2-4回)ほど繰り返すのがCAPDです。

CAPDのメリットとデメリット

CAPDのメリットは、機械を使わないので電源を気にせず、旅行先でも行えることです。また、APDの機械の明かりや音を気にせず眠れるのもメリットです。一方で、デメリットはバッグ交換の手間が多いことと、日中出かける時はバッグ交換の時間を考慮して予定を組む必要があることです。

APDについて

APDの仕組みと特徴

APDは機械(サイクラー)を使って自動的に注液と排液を繰り返す方法です。主に夜間就寝中に行います。

APDの種類

APDには、以下の種類があります:

  • NPD(夜間腹膜透析):夜間のみ行う
  • CCPD(連続携行式腹膜透析):夜間に加えて最後に注液して日中お腹に貯めておく
  • CAPD+CCPD:CCPDにさらに昼間に1〜2回手動でバッグ交換を行う

APDのメリットとデメリット

APDの最大のメリットは、寝ている間に透析が終わるので、昼間の時間が自由になることです。子供の世話で忙しい私たち夫婦には、このメリットは計り知れません。また、CAPDよりも透析効率が高いのも魅力です。一方で、サイクラーは上手く排液ができない時などアラームが鳴ることがあり、透析中は小さな機械音も出ます。機械音は液が流れる音が時折聞こえる程度で、全く気にならないくらいの音です。

我が家での経験

当初は、このアラーム音を心配していましたが、アラーム音に関しては音量を選べます。我が家ではアラームは数週間に1回程度で、大体が子供が寝返りを打ってチューブが折れて注排液不良になることによるものです。決して一緒に寝ている大人や兄弟の睡眠が妨げられるようなことはありません。

CAPDとAPDの使い分け

年齢や生活スタイルに合わせた選択

CAPDとAPDのどちらを選ぶかは、年齢や生活スタイルに合わせて考えることが大切です。乳幼児の場合、保護者の負担を減らすためにもAPDが選ばれることが多いようです。実際に我が家もAPDを選択しています。学童期になると、部活動など放課後の予定に合わせてCAPDとAPDを使い分けるのもいいかもしれません。

まとめ

腹膜透析は毎日続ける治療なので、自分や家族に合った方式を選ぶことが何より大切です。CAPDとAPDにはそれぞれのメリットがあるので、日常生活の実際の流れを意識しながらどちらかを選択し、快適な透析ライフを送ることが大事だと感じています。

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