腹膜透析を始める前に知っておきたい、家の広さと物品収納のポイント

腹膜透析

はじめに

腹膜透析をはじめるにあたって、家の広さと物品収納についてお話ししたいと思います。

なぜ家の広さと物品収納?と思われるかもしれませんが、腹膜透析をはじめる前にある程度考えておかないと、いざ腹膜透析を開始した時に、少し困惑してしまうかもしれないので、お話しておきたいと思います。

腹膜透析で必要な物品と収納スペース

腹膜透析を始めると、大量の物品が自宅に届きます。主なものは腹膜透析液ですが、これが一月分または半月分まとめて送られてくるため、適切な収納スペースの確保が不可欠です。APD(自動腹膜透析)の場合は、腹膜透析液に加えて回路などの物品も届きます。さらに、APDの機械と機械を置くための棚を置くスペースも考えておく必要があります。

我が家の場合もある程度想定していましたが、思った以上の物品の量でした。

退院直後に腹膜透析を自宅で続けられるように、退院前に物品が届くので、家に残った家族が物品を受け取り、物品を適切に収納しておく必要があります。

小児の場合は付き添い入院がほぼ必須と思われるので、入院前に予め家族で収納スペースやAPDの機械を置く位置なども相談されておいた方が良いかもしれません。

収納スペースの工夫と確保

限られたスペースを有効活用するには、腹膜透析液の入った段ボールを高く積むのも一つの方法です。ただし、地震の際の崩壊リスクを考慮し、あまり高く積みすぎないよう注意が必要かと思います。一戸建てであったり広いマンションの場合は収納スペースにあまり困らないかもしれませんが、そうでない場合は、入院前に収納スペースを確保しておくために部屋の片づけなどをしておいた方が良いかもしれません。また腹膜透析を実際に行う部屋と収納スペースが離れていると、腹膜透析液や透析回路を運ぶ必要が出てくるため、極力近くに収納スペースを確保した方が良いかもしれません。

腹膜透析を行う部屋の選択/APDの機械を置く位置の選択

APDの場合は、寝室になると思いますので、腹膜透析を行う部屋は選べないとは思いますが、腹膜透析を行う部屋は、できるだけ清潔に保ちやすい場所が適しています。機械を置く位置についてですが、足元に機械をおくか、横に置くのかは、寝室のデザインや、どのように寝ているかによって変わってくると思います。我が家の場合は、布団を引いて寝ており、足元に機械を置いています。

子どもは寝返りをうって体に腹膜透析のチューブが絡むことがありますが、基本的には足元においておいて、回路と腹膜透析のチューブを接続した状態で、頭側にいっても、ぎりぎり長さは足ります。また朝方に機械と切り離す際の物品は、機械を置いておく棚に用意しておくと、朝方の忙しい時間にストレスなく切り離しに集中することができます。

ちなみにペットを飼っている場合は、ペットを飼っていない部屋で腹膜透析(透析液の注排液)を行うことが望ましいです。ペットの毛や菌が腹腔内に混入するリスクを避けるためです。ペットを飼っている部屋とは別の部屋で透析を行うことで、感染のリスクを最小限に抑えることができます。

おわりに

腹膜透析は、はじめは慣れずに苦労することも多いかもしれませんが、徐々に慣れてきて生活の一部になります。また小さな兄弟がいる環境でも、大事な機械であることを伝えると、機械との接続や切り離しなどの際にも近寄ることがないため、問題なく腹膜透析が行えています。今後も引き続き、同じような境遇のご家庭に役立つような情報を提供できればと思っています。

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